2017年05月13日

HISTORYのこと。

突然発表されたHISTORY解散のお知らせ。
デビュー当時から、もしくはライブの都度彼らを観てきたストリアさんたちがいらっしゃる中、1度しかインタビューをしていない私がこのような話をするのは、おこがましい以外にない。

しかし彼らにインタビューをさせていただくことになったきっかけや、その時の様子を残しておきたいと思った。

なぜならば、私が今までにインタビューさせていただいたアイドル達とは全く違う空気を持っていたからだ。



私が釜山へ一人旅をしている時だった。カフェで自分だけの為に使える時間を満喫している最中、メールが来た。
以前、あるヒップホップグループを担当していたRさんだった。

《その節はお世話になりました。今、あの会社を辞め、別の会社でHISTORYというグループを担当しています。宜しければ大阪でもイベントやりますので観に来てください》

そんな内容だった。

その方には、前に担当されていたヒップホップグループのインタビューの時に、ずいぶん調整をしていただいた。
どんな内容の質問しても細かいNGは出さず、制限時間を少々過ぎても話を切ることはしなかった。

そんな恩があったので、旅行中にも関わらずすぐに返事を書いた。

《今、釜山一人旅中です。私、日本人ですけど韓国に来るとなぜかすごく懐かしい気分になるんです。釜山は落ち着きます。HISTORY、大阪イベ決まったらぜひ、拝見させてください》

するとすぐにまた返事が。

《僕は韓国人ですが、日本の方が落ち着きます(笑)HISTORYの件、宜しくお願いします。僕から見ても、彼らは本当に本当に頑張っているグループなんです。たくさんの人にHISTORYを知って、見てもらいたいんです!!!良ければ番組で紹介してください》

大人しい印象だったRさんが、ここまで熱く言うのも珍しいなぁ…と思ったので、メールの内容はよく記憶している。

HISTORY…。
グループ名は知っていた。楽曲も何曲かは聴いたことがある。でも名前と顔が一致し、メンバー個人の特長まで詳しく知っていたか、というと正直そこまでではなかった。
もちろん、生でパフォーマンスを観る機会もなかった。

Rさんとのメールのやりとりがあってから、どれくらいたっただろう。
数ヵ月は過ぎた頃、大阪でのリリースイベントが決定されたとメールが来た。

あの時の話は有効だろうか…。

《インタビューのお時間いただけそうですか?》

《ステージ1回目と2回目の合間に調整してみます!宜しくお願いします!!》

ルックスまで紹介できる映像はない、ラジオだ。おまけにローカル局。私は有名なKポ評論家でもなんでもない。アーティストとファンの繋ぎ役としてお手伝いできたら…と思っているただのKヲタDJ。
こちらが取材申請をしても、体よく断られるなんてことはしょっちゅうだし、返事すらない所が多い。

でも、Rさんのように何らかのきっかけで道ができ、リリースがある度に連絡を下さる担当の方がいる。私たちの力は微々たるものなのに“お力添えを下さい”と言って下さる事務所もある。
そういった方々からのお話には、いつも出来る限りのことをさせていただこう…そう思っている。準備していた別ネタを飛ばしても、オンエアのタイミングはアーティスト事務所の希望にお応えできるよう、対応している。
確かHISTORYの時もそうだった。何のネタだったかは覚えていないけれど。

インタビューは、通訳してくれるスタッフを置いて下さっていた。
私は韓国語が全くできないわけじゃないが、正確さを求められる同時通訳、しかも放送に乗せるとなると、旅行で使うような“雰囲気は合ってるからいいでしょ”という、適当さは許されない。

久しぶりに再会したRさんは、挨拶もそこそこに「良く彼らを紹介してあげてください」とまた熱っぽく言った。

通された控え室に入ると、特に何をするでもなくウロウロしてるメンバー、スマホをいじっているメンバーがいた。

Rさんが私を紹介すると、彼らはその場で“普通”に挨拶をしてくれた。
この、“普通に”というのが私にとって重要だったりする。あまりにも作られたスマイルは、どうも苦手だから。

みんな集まって。ここでやるから。とRさんに言われて、用意されていた長机の向こう側にメンバー達が座った。
私が机上に広げていた各メンバー顔写真入りのプロフィールを見て、“これ、いつの写真だよ(笑)”“お前はカッコ良く写ってる”など、お互い言い合ったりしているが、私の正面は空いたままだ。

ギョンイルは?と、Rさんが言い終わらないうちにリーダーのギョンイルさんが少しイスを引き、身体を滑り込ませるようにして席に着いた。
妄想小説を書いているかのように捉えられるかもしれないが、イスを引き、上体を斜めに倒しながらスっと座る…その一連の動作がとてもスマートかつ華麗で、強く印象に残っているのだ。

ディレクターが機材セッティングしている間、事前提出してあった質問フォーマットに目を落とすリーダー。

私は番組内容を説明し、できるだけ自然な姿で、普段のような話し方でお願いしますと付け加えた。私の説明を聞くメンバー達は、背筋を伸ばし体をこちらに向けていた。一人を除いては。

私の正面にいるリーダー、ギョンイルさんだけは違った。
身体を斜に構えつつも前のめりな姿勢は、最初の数秒はとっつきにくいような、気難しいような印象を持ったが、それはすぐに“何でも聞いてくれ。ちゃんと答えるから”そんなスタンスに見えてきた。
私の勝手な受け取り方だが、軽く笑顔を作らない、強いまなざしからは男気を感じたし、分かりやすい可愛さをウリとしない硬派なグループなんだという印象に変わった。
(のちに、ギョンイルさんが“オレ様キャラ”だということを知るのだけれど)

日本語での受け答えは微妙かもしれませんと伺っていたが、知っている日本語や簡単な表現は日本語で答えてくれた。
時々考えて言葉に詰まりながらも一生懸命に話す姿は、極力通訳を使わないように、自分の口からファンに伝えたいと思っていたのかもしれない。

背筋を伸ばしていたメンバーも次第にリラックスしてきたのか姿勢も崩れ、男気溢れる体制だったギョンイルさんにも笑みが出るようになった。
当時の新曲・クィーンの話題になると「この曲はイジョンが作詞、作曲。シヒョンも作詞に参加していて…」と、目尻を下げながら話し、それを聞いていたイジョンさんは嬉しそうな表情をし、シヒョンさんは神妙な面もちをしていた。
また、黒の衣装が大人の男性のセクシーさも感じると言うと、ドギュンさんは静かな微笑みを、ジェホさんは少し照れたように笑った。


頂ける取材時間には限度がある。もう少し深く聞き込みたい話、そうじゃなくて!とツッこみたくなる答え…どうしてもスルーせざるを得ない。
それは、1回目はファンに対してというより、そのアーティストを知らない人に紹介する、認識してもらうという事に重点を置いているからだ。
だから質問数を多目にし、メンバーそれぞれまんべんなく質問を振ることにしている。でも、終わってから後悔もある。
すでにファンのみなさんに対しては、いつもと違う一面をもっと引き出すことができなくてごめんなさい、あの答えを面白くイジれなくてごめんなさい、と。

100%納得、私よくやったぞ!と自画自賛できるインタビューは、もしかすると無いのかもしれない。いつも何らかの反省が付きまとう。
同時に、次に機会を貰えた時は質問を削ってでも、グループ全体というより、メンバーの個性が際立つようなものにしたいと決意するのだ。



しかし、それはもう叶わなくなってしまった。

あまりにも急な解散話を電車の中にいるときに記事を読んだのだが、目的地到着のアナウンスに気付くまで、車窓の景色は目に入らず彼らに会ったあの日の事ばかりが頭の中に鮮明に浮かんで来たのだった。

このような文章を書くことは、何を分かった風にでしゃばったマネを!と思う方もいるだろう。重々承知している。

それでも。
書いたり消したり、投稿しようか削除しようか迷いながらも表に出したのは、HISTORYというグループが存在し、私が取材させていただいたアイドルの中で、よくある感じではない違った光を持つグループがいたことを深く記憶に留めて置きたかったのと、放送時は詳しい状況を話せなかったので伝えておきたかったという思いをお汲み取りいただければ、と願う。

Kyoko.
posted by アマナビ at 22:59| Comment(0) | 日曜日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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